私が独断と偏見でおとなに読んでもらいたい絵本を紹介します。
「100万回生きたねこ」「しろいうさぎとくろいうさぎ」を選んだ理由
人生長くなってくると、なかなか自分の気持ちに素直になれないものです。
ある程度の年齢になると、できないわからないと言えなくなってしまいます。
わがままとは違って、素直に自分の気持ちを伝えることの難しさ。
「100万回生きたねこ」
作・絵 佐野洋子
発行所 株式会社 講談社
「100万回生きたねこ」を読んでもらいたいおとなとは
年齢とともに頑固になってしまった人に是非読んでもらいたいです。
「絵本のタイトルや表紙がねこ?100万回生きた?」とこどもの世界の話を思っている人に特に手に取ってもらいたいのです。
「100万回生きたねこ」のあらすじ
お話は一匹の猫が100万回も死んで100万回生きていく中で猫の気持ちが変わるという流れです。
その猫には名前はありません。いつも誰かに飼われている猫です。
ある時は王様にある時は船乗りにそしてサーカスの手品使いまたある時は泥棒に飼われていました。
ひとりぼっちのおばあさんや小さな女の子に飼われている時もありましたが、いつも飼い主のことが嫌いだったのです。
話は誰にも飼われることなく野良猫になった時から、少しずつ猫の気持ちが変わって行きます。
立派な野良猫になって、美しい雌猫に出会ってさらに猫は変わっていきます。
それまでは、自分が大好きだった猫が自分の自慢をしても「そう」としか答えない雌猫。
やっと「そばにいていいかい」と自分の気持ちを素直に伝えることにより変わっていく猫の様子が表現されています。
100万回も死んでまた生まれても、1度も泣いたことがなかった猫は雌猫が死んだときは泣いたのです。
その後、白い雌猫の隣で猫は死んだけどもう生まれ変わることはなかったというお話。
「100万回生きたねこ」おすすめする理由
この絵本の特徴のひとつは、動物が絵本の主人公の場合、擬人化されて名前が付いていることが多いと思うのですが、100万回生まれ変わるので特に名前はありません。
つまり、野良猫になるまでは、自分の気持ちは飼い主のことが嫌いということくらい。
私たちの世界でも自分の気持ちを大切にすることを忘れがちです。
特に、おとな世代になってくると今までの自分の価値観にしがみついたり、頑固になったりと。
自分を誇示するいうわけではなく、素直な気持ちを大切にできるようになりたいです。
若い人の親切に素直にありがとうと言ったり、新しいものにも素直にわからないけど教えてもらえますか?と今の気持ちを素直に言えるようになるためにおすすめの絵本です。
「頑固は諸悪の根源です」
絵本は読書する習慣がない人もすぐ読め元気が出ます。
しろいうさぎとくろいうさぎ
文・絵 ガース・ウイリアムズ|松岡享子 訳
発行所 福音書店
「しろいうさぎとくろいうさぎ」を読んでもらいおとなとは
熟年夫婦に是非読んでもらいたいのが「しろいうさぎとくろいうさぎ」です。
ウサギ年でもあるので、ちょっと覗いてみようかと思う人にも読んでもらいたいです。
「しろいうさぎとくろいうさぎ」あらすじ
しろいうさぎ(雌)くろいうさぎ(雄)が森に住んで野原を楽しく駆け巡るお話から始まります。
時々、くろいうさぎがとてもかなしそうな顔をして「ちょっとかんがえたんだ」としろいうさぎにつぶやくのです。
何度もそういう場面があり、願い事をしていることを伝え、その願いごとがずっとしろいうさぎといられることをやっとの思いで伝えました。
その気持ちをしろいうさぎに受け入れられて、森の動物たちに喜ばれて、その後は仲良く二匹で暮らしました。
くろいうさぎは悲しそうな顔をしなくなったのです。
「しろいうさぎとくろいうさぎ」をおすすめする理由
なかなか側にいても、自分の気持ちをパートナーに素直に伝えられないものです。
難しいことは言いません。
どちらかというと絵本にしては、地味な色使いの絵が描かれています。
この絵本で何を感じるかは、その時の心の状態によっても違ってくるような絵本。
おとな世代の熟年夫婦や熟年パートナーが手に取ってもらいたい絵本です。
さいごに
神戸にできた「こども本の森」に大人の私も行って、子育て時代に読み聞かせてをした絵本などを見つけて懐かしく思いました。
絵本はおとな世代も元気にしてくれることに気づきました。
書店にはハウツー本があふれ今の時代の波をいかにうまく泳いでいくかを教えてくれています。
若い人にはそれがいいのかもしれませんが、おとな世代の私は溺れかけていました。
そんな時に思い出した絵本が「100万回生きたねこ」「しろいうさぎとくろいうさぎ」です。